GW菅平合宿
毎年GWに新入生の校内合宿を行っていましたが、
今年度は23年生Bチームと合同で菅平2泊3日で遠征合宿を行いました。
最近周りで良く聞く高校サッカー部での出来事
高校の部活動を途中で辞めて町クラブに移る。
先輩と後輩がうまくいかず、学年別でチームを組む。
低学年が急に大人数で退部する。
学年毎の保護者同士がうまくいかず、学年の溝が大きい。
こんな話、聞いたことないでしょうか?
今回は1年生の合宿の振り返りの前に、高校サッカーの現状を
少し考えてみたいと思います。
最近ではクラブチーム出身の選手が多くなっている
サッカーは日本のスポーツ界の中では競技人口が多く、
運営組織、育成組織がしっかりしています。
特に体と脳の成長のタイミングがマッチし、
技術の習得に一番適したゴールデンエイジ(10才~13才前後)と言われる時期の育成組織が充実しています。中学校の部活動に替わり、ジュニアユースのクラブチームが台頭しているのが一例です。
サッカーに意欲的な子達の大半は部活ではなくクラブチームに所属します。
理にかなった育成とその問題点
しかし、その弊害として上下関係の希薄化が挙げられます。
育成組織がしっかりしているので、U-13、U-14、U-15など、大会やリーグも各学年に合わせて行われています。そこに合わせてトレーニングを行うので練習自体も各学年によるものです。つまり、他学年とのチーム作りがなかなかないという現状です。
もちろん、それを見据えてピッチ外で教育を行っているチームは多くありますが、
実情、他のスポーツと比べると「先輩」「後輩」の意識は薄れているように高校に入ってくる選手を見ていると感じます。
そのような社会的な流れの中、しっかりとその教育を行っているチームは本当に
素晴らしいと思い、リスペクトしています。
社会人で求められるもの
社会に出ればさまざまな年齢、価値観、出身の人物達と協議し、妥協点を模索しなくてはなりません。そのベースはどこで学べば良いのでしょうか。
昔ながらの上下関係、年功序列は日本社会の中でも薄れてきています。
個人の意見の尊重が大切にされてきている結果でしょうか。
しかし、それを勘違いし、目上の人に怒られない、敬意を払わない中で成長することで
自分も年下の人物に関わろうとしない、敬意を払わない人が増えている気がします。
上下関係なくすべての人に敬意を払い、気遣いをすることが一番大切なのではないでしょうか。なんとなく、ただの無関心な人たちが多くなっているように感じます。
自分の周りの居心地の良い価値観だけで生活していたら心配です。
年代別という考え方は、肉体的には理にかなっているものの、
社会性を身につけていくという観点では少し考え直さなくてはいけないかも知れません。
「後輩らしさ」よりも「先輩らしさ」
本校では上下関係を指導します。
しかし、目的は、上下関係なくすべての人に敬意を払うことを教えるために、
あえて公平じゃない関係性の中で指導します。
特に「先輩らしさ」を大切にしています。
先輩の指導方針は
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」です。
まずは先に先輩が動く。言うよりも背中を見せる。
うちの先輩は真っ先にゴールや用具を片付けに走ります。
今回の合宿における23年生Bチームの使命は、とにかくやってみせることでした。
指導者がいる場所で動くのは当たり前ですが、宿舎の部屋など指導者がいない場所でどのように先輩は振る舞ったでしょうか。1年生はそれを見て、どう感じるのでしょうか。
全員が何かを感じるべきですが、それは難しい。
ただ、一人でもそれに気付けば「0」が「1」に変わります。
そんな「1」を期待して今回は合同合宿を計画しました。
その結果は2ヶ月ほどたった今に出てきているのではないでしょうか。
将来、当部を卒業していった選手達には、上下関係の一番大切な、
「先輩らしさ」を実践し、後輩にその姿勢を教えられる人物になって欲しいと思います。
保護者の方にもお願いです。
1年生は自分の狭い価値観を少しずつ少しずつ変えようとしていますし、先輩はできていなくてもなんとか伝えようとしています。是非、見守ってあげてください。
チームのために何もしていない選手に限って、チームのために行動しようとしている選手に文句を言います。話を真に受ける前に、自分のお子さんがどっち側か、よく見て判断してください。
全員「立派な男」に成長するためには、周りの大人の関わり方が大切だと思います。
心配なときはご連絡ください。
顧問 鈴木龍
写真はマネージャーでした。