10月16日土曜日駒沢第二競技場で選手権2次予選2回戦が行われました。

2回戦からはプリンスリーグやT1リーグの強豪が登場します。

当部は中学時代に引き離されたその強豪と呼ばれるチームに対してなんとかして近づき、

なんとかして追い抜くことが目標にしています。

「ジャイアントキリング」です。

2回大物に勝てないといけない場所がベスト8です。

今回は倒す相手として申し分ない相手でした。

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記念試合なんかにするつもりはありません。

徹底的に打ち合いに行きました。

 

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しかし、現実は甘いものではありませんでした。

開始5分充分に対策をとったサイドから相手の2年生エースに際どく突破された後、

角度のないところからあっさりと失点しました。

それから10分後には同じ選手にゴール前のDFとGKの間の狭いスペースで

空中で胸トラップをしてそのまま叩き込まれました。

 

2点とも経験したことのない得点でした。

見たことのないプレーに思考が鈍り、心音が高まるのを選手全体から感じました。

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ただ、意外だったのが、うちのチームのボール保持率が想像以上に高かったことでした。

ひるんで蹴ることなく、しっかりとつなぎ、中盤がフリーの状態から相手のコートに

攻め込むことが多くなり、チーム全体に「できる」という感覚が広がり始めました。

その間にも守備陣は両サイドの選手を攻略し始め、中央の守備陣は徹底的に相手を

つぶし始めました。

あとは決めるだけ。

想像以上にうちのチームは強くなっていました。

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しかし、この差があまりに大きということが知らされました。

セットプレーも崩しもあと一息のところで外すというより、守られてしまう。

こちらのゴール前はチームで守れていても、最後の瞬間で点をもぎ取られてしまう。

 

後半にカウンターをくらい、PKを相手に与えた時は、この感覚が完全に形として

実感した時でした。

これが決まれば気持ちが折れていたかもしれません。

 

しかし、そこでチームを支えたのはサブの3年生GKの仲村でした。

この学年にはGKが一人しかいませんが、ずっと一人で耐えてきました。

後輩にレギュラーを取られ、一時は第3GKになりましたが、しぶとく第2GKを勝ち取りました。

この仲村がやってくれました。

決定的な点差になるPKシーンで交替しましたが、

まさかのスーパーセーブをし、こぼれ球への執着もみせつけました。

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全員が仲村に背中を押され、

「やるんだ!ゴール前の差はこの試合で埋めるんだ!」と決意した瞬間でした。

結局終わってみれば4失点で無得点でしたが、

そこにはかなわなかった涙や、やりきった涙はありませんでした。

全員が、負けた現実を受けながらも、

「もっとできたのではないか?」

「初めての驚きが、あったが、それがわかっていたとしたら?」

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普段からいかにスペシャルなFWと対峙しているかが

勝負にでるのだと実感しました。

「経験」がいかに大切かを学びました。

そしてそれと同時に、自分たちの可能性を感じずにはいられませんでした。

 

3年生の目の光はまだ消えていません。むしろ輝きを増す一方です。

リーグ最終節が残っています。

真摯に勝負に向き合い、最後まで戦い抜いてほしいと思います。

 

今回も対戦校含め、関わってくださった方々に感謝いたします。