地区2部リーグを戦い終えて
ヘッドコーチ 今井 崇量
平成30年10月14日(日)にリーグ戦最終節 GA戦を1-0の勝利で飾り、また今季のリーグ戦の結果が9チーム中6位と確定し、全日程を無事に終了することができました。
しかし、今年度の目標であった2部リーグ優勝は果たすことができず、残念な気持ちと悔しさがあります。
昨年度は、新人チームとして1試合を通じて戦うことができるよう、負けないサッカーを目指すために「ゴールを守る」、そして「ボールを保持し、崩してゴールを奪う」でした。そして今年度は昨年度の2部リーグを戦ったメンバーを中心とした3年生チームとして戦うことになりました。ある程度ボールポゼッションができるようになり、1試合を通じて戦えるようになり選手たちは自立をし始めてきました。そこで今年度は、目標をさらに高く「2部リーグ優勝」とし、大きなテーマは「意図的にボールを奪う攻撃的守備」、「ボールを失わずにゴールを奪う(崩しの完成)」です。
初戦の松が谷戦こそ、自分たちのテーマに沿った戦いをして初陣を飾りましたが、そこから苦しい時期が続きました。インターハイ予選も重なり、チームを解体しなければならなかったり、テーマにこだわることができなかったり、その為に自分を変えるくらい自律することができなかったりと。どんな環境においても、「なりたい自分」を追い求めなければ2部リーグ優勝はありませんでした。
結果、最終節まで2勝5敗となり、負ければ降格もありうる状況になってしまったのです。しかも選手権で1回戦負けを喫し、3年生はリーグ戦をもって引退することになりましたが、2部リーグのマッチメイクがなかなかできず、最終節が行われたのは選手権から2ヶ月後となりましたが、その間も進路や文化祭などと向き合いながら、自分たちで集まれる時間を設定し少ないながらも練習を行ってきました。今までに比べれば満足のいく準備期間ではありませんでしたが、その時の環境で最善を尽くしたと確信してます。そして、この環境とこの時間が自分たちに足りなかったモノを追い求められる最後のチャンスでした。自分たちに足りなかったモノは、ゴールを奪う創造力でした。もう一度みんなで話し合い、イメージを共有し、全力で練習に取り組みました。
迎えた最終節でしたが、GAの選手たちも個の能力が素晴らしく、また強固な組織力に圧倒される場面もありましたが、結果は1-0で勝利することができました。試合に負けない為に、失点を0で抑えたキーパーとディフェンス陣。攻守においてタフさを発揮したボランチ。チームの武器となりチームに勇気をくれたサイドアタッカー。攻撃の起点とアクセントをつけてくれたシャドー。試合を決定付ける1得点を挙げたフォワード。そしてなによりも厳しい状況の中で自立している選手たちには感動さえも覚えました。
この日の決勝点は、この短期間で自分たちの追い求めたイメージ通りのゴールでした。このゴールが生まれ勝利できたことで、今までの努力が少し報われた気がします。また、3年生を中心とした応援団とたくさんの保護者に見守られた中で勝利を挙げることができ、少しでも会場を沸かせ、支えてくれた方々に恩返しができたかと思います。
この日を以て3年生は引退となりました。3年生には、「あきらめずに最後までやり遂げる力」を見せてもらいました。昭和第一学園サッカー部には、「生涯向上心を持つ」という理念があります。生涯は長いもので、その中で幾度となく極めて困難な問題にぶつかると思います。しかし、立ち止まったっていい。そこから逃げずに、言い訳をせずに、立ち向かっていくことが大切です。
3年生にはその力がありました。「あきらめずに最後までやり遂げる力」どの世界にいっても大きな武器です。そして、いつまでも「なりたい自分」を追い求めてもらいたいです。
私自身もチームを勝たしてあげられずたくさん悩みました。しかし、Bチームの選手たちは、サッカー部部長兼Bチームキャプテンを中心にいつも明るく、そして前向きに私の練習に付き合ってくれました。その明るさや誠実さが私を成長させてくれたのだと思っています。本当に感謝します、ありがとう。
最後に、もう一つ。
今年の3年生にチーム発足時に話したことと、選手権で敗退した日に伝えたことを簡単ですが紹介します。チーム発足時には「環境に依存することなく、なりたい自分になろう(自己実現)」、選手権敗退時に「学校を卒業するまでに、自分たちがチームに残せるものがあったら残して欲しい」と伝えました。今回のリーグ戦最終節まで、Aチームからキャプテンと副キャプテンが残ってくれました。特に印象に残っているのが、2人の言葉です。なぜそこまで練習に付き合ってくれるのか聞いたところ、キャプテンからは、チームに残せるものを卒業するまでに残したい。副キャプテンからは、選手権で自分に足りなかったモノを取り返すためにチームと共に成長したいと。2人とも「なりたい自分」を追い求めていました。そういう時の環境は与えられるモノから、作り上げるモノに変わります。その環境を作り上げるために、仲間と話し合いを積み重ね、協働し、創造していく力が必要となります。そんな力を持った2人に支えられたチームで一緒にサッカーができたことに嬉しく思います。
3年生本当にお疲れ様でした。
大成高校戦
調布南戦
GA戦
写真は保護者応援団の渡辺さん・松澤さん・佐藤さんでした。